美ヶ原温泉　旅館すぎもと うつくしがはらおんせん　りょかんすぎもと UtukushigaharaOnsen RYOKAN_SUGIMOTO

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そして、もっとも「旅館すぎもと」らしさがたっぷりの施設が「バーひびき」。 夕食後から午後10時半まで開く。 食事処である「泉雲閣」から、地下通路を通って客室へ帰る導線上にある。 これは館主である花岡貞夫さんが、好きなお酒を楽しみながら、宿泊客と交流を図るという願いの為に作られた。 間接照明によって醸し出された妖艶な雰囲気も漂う。 中央に樹齢500年の栃の木のテーブルが置かれ、アナログプレーヤーとJBL、マッキントッシュオーディオから心地よいジャズが流れるこのバーでは、花岡さんが厳選した上で集めたお酒を愉しむことができる。
樹齢500年の栃の木のテーブルが配された「バーひびき」
アイラ島（スコットランド）産のシングルモルトや、ニッカウイスキー「余市」が大量にストックされていた。 北海道余市蒸留所のシングルカスクは、花岡さんが特にお気に入り。 ちなみに、カスクとは樽のこと。シングルカスクとは、一つの樽からとった原酒を、そのまま瓶詰しているウィスキーの事（通常のウィスキーはブレンドしたもの）。 ワインは、スペインのガヴァが産地の「ゴルネール」が今の一押しだそうだ。 それ以外にも通常の旅館では有り得ないほど豊富な種類のワインが揃えられている。 席料は1,050円。 好みのお酒を注文して飲みながら、くつろぎのひと時を堪能してほしい。 運が良ければ花岡さんと語り合うことが出来るこのバーは非常に魅力的だ。
「バーひびき」の豊富なお酒のストック
食事処の棟「泉雲閣」の裏手の雑木林にあるのが「ツリーハウス　登夢創屋（トムソーヤ）」。 東大名誉教授でもある、前衛的な建築家・藤森照信氏が、長野県茅野市の実家の畑に作った8メートルの高さのツリーハウス「天空の茶室　高過庵」に、館主・花岡さんがインスパイアされて作ったのがこれだ。 土台部にアカマツ、壁の部分は竹、屋根は当初キハダ（檜の皮）を用いていたが、強風で飛んでしまうため現在は板金されている。 花岡さんがこだわったのはまず高さ。 あまりに高くしすぎると、ツリーハウス独特の揺れが恐怖に感じる恐れがあるため、自身が登れる高さとして、2.95mに設定。 次に壁の形状。 当初は丸い形状にしようかと考えていたが、それだとあまりにも中国を連想させてしまいそうなので、あえて楕円にしたそうだ。 肌寒い時期には難しいが、夏の暑い時期などには、ビールを片手に昼寝をして過ごしてほしいとの事。
ツリーハウス「登夢創屋」
その隣にあるのが、ジャグジースパ「ジェットストリーム（夜間飛行）」。 最近では、このジャグジーに浸かりながら、ツリーハウスを眺める方がおススメかもしれない。 38℃のお湯に20分、鼻の頭に少し汗をかく程度がいい。 いずれにせよ、この空間は、まさに「少年時代」の憧れ、または「男のロマン」を感じさせる場所。 「旅館すぎもと」ならではの施設なのだ。
ジャグジースパ「ジェットストリーム（夜間飛行）」
そして「ツリーハウス　登夢創屋」のさらに奥にあるのが「茶室（かぐや姫）」。 この茶室は、かの太閤「豊臣秀吉」が朝鮮出兵のおり、名護屋城（佐賀県唐津市鎮西）に作った「草庵茶室」を再現したものだ。 こちらの設計も、石庭「七福の庭」を作庭した小口基實氏によるもの。
茶室「かぐや姫」

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