千年の湯　古まん せんねんのゆ　こまん SennennoYu　KOMAN

前へ 1 2 3 4 次へ この宿の公式ページへ

外湯の中でも、特にしっとりとした風情があるのが「御所の湯」。 南北朝時代の歴史物語「増鏡」に、文永4年（1267年）後堀河天皇の御姉、安嘉門院が入湯された記事があり、御所の名はこれに由来する。 現在の建物は、2005年、四所神社隣りに新築移転したもので、京都御所を彷彿とさせる。 火伏防災・良縁成就にご利益があるとされ、美人の湯と言われている。
外湯「御所の湯」
	温泉街の外れにあり、山小屋風の建物が特徴的なのが、「鴻（こう）の湯」。 外湯の中で最も古くから開けた湯で、およそ1400年前、こうのとりが足の傷を癒したことから発見されたという。 夫婦円満・不老長寿にご利益があり、"しあわせを招く湯"と言われている。
外湯「鴻の湯」
	大正ロマン風の外観で、城崎の温泉街に溶け込んでいる印象なのが「柳湯」。 中国の西湖から移植した、柳の木の下から湧き出た湯と伝わっている。 “子授けの湯”と言われており、子授安産にご利益があるという。 「柳湯」の前には足湯があり、若い女性の姿が多く見受けられた。
外湯「柳湯」
外湯「柳湯」の前は足湯が設けられ、憩いの場所になっている。
その他の外湯は、「城崎温泉駅」のすぐ横に立つ日本最大の駅舎温泉「さとの湯」、打たせ湯や貸切風呂がある近代的な外湯の「地蔵湯」とある。 そして、城崎温泉の開湯に関係の深い歴史的な外湯が、「まんだら湯」だ。 この外湯は、昔から寺院の御堂のような建築様式としており、玄関は唐破風の造りとしている。 村人たちから、神仏の加護による霊湯として崇められてきたのだ。
外湯「まんだら湯」
この「まんだら湯」とともに、城崎温泉の誕生に関わっているのが、「千年の湯 古まん」だ。 おそらく、一般の人が入れた宿としては、日本最古と言えるだろう。 温泉寺に現存する「温泉寺縁起帳」によれば、こう記されている。 「和銅元年(708年)、城崎の住人 日生下(ひうけ)権守は、夢のお告げで四所神社を建てた。 養老元年(717年)、道智上人がこの地を訪れ、四所明神の神託を受けて千日の修行の末、まんだら湯を湧出させた」と、ある。 この日生下氏は、「古まん」の館主のご先祖様にあたる。 四所神社の神主であった日生下氏は、唯一名字が許された。 明治まで一子相伝とされていたため、発祥の城崎でも珍しい名字になっている。 「千年の湯 古まん」には、代々伝わる「曼陀羅記」と「日生下氏家宝旧記」というものがあり、城崎温泉の歴史について記されている。 それによれば、道智上人が滞在した屋敷は「まんだら屋敷」として、「まんだら湯」と合わせて一つの聖地とされていた。 この「まんだら屋敷」が「古まん」の前身であり、江戸時代末期には「曼陀羅屋」として屋号が残った。 ※江戸時代、事情により「曼陀羅屋」は譲り渡したと記されている。その後経営者が何度か変わり、屋号も改称されている。 「まんだら湯」と「曼陀羅屋」は、「まんだら橋」を渡ったところにあり、聖地とされていた。 橋を渡る手前に隠居屋敷があり、これが現在の「古まん」がある場所である。 明治時代に「古曼陀羅屋」として再興され、戦後まもなく「古まん」と改名された。
「千年の湯 古まん」に代々伝わる「曼陀羅記」と「日生下氏家宝旧記」

前へ 1 2 3 4 次へ ページの上に戻る