山あいの宿 喜安屋 - コラム~総括(3)-
| 2000年(平成12年)には、宿から少し離れたところに、露天風呂(切石風呂)を造った。 宿から、その風呂までクルマで送迎する事もした。 2003年(平成15年)に、達也さんは2代目の社長に就任する。 「この場所で、この建物で営業していても、もう限界だ。このままでは黒川や由布院に勝てない。」と考えた達也さんは、宿の温泉地内での移転を考え始めた。 そんな折り、寝耳に水の事件が起きる。 |
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| 社長になって翌年の2004年(平成16年)に起きた、いわゆる「温泉偽装問題」である。 これは、週刊ポストが、長野県・白骨温泉の白濁したお湯に、草津温泉の素を投入して、白くしているとスクープした事が発端となり、群馬県・伊香保温泉の水道水の風呂を温泉風呂と偽った旅館が発覚したりと、全国に波及していった問題である。 ここ筋湯温泉では、九州電力の八丁原(はっちょうばる)地熱発電所の工業廃水を温泉として使用しているのではないかと疑惑を取り上げ、週刊誌で叩かれたのだった。 しかし、筋湯温泉の場合は、すぐに鎮静化した。 他の温泉地と違って、入浴剤を入れたり、水道水で偽装したわけでもなく、本物の温泉だったからだ。 |
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| 誤解を招いたのは、温泉そのものを地熱発電所側が掘削していたからだ。 発電所は、温泉の噴気、蒸気は必要とするが、温泉そのものは必要ない。 その使わない温泉を、各旅館に配湯しただけの話である。 ただ、発電所を経由する事により、見方によっては工業用水とか工業廃水とか言う人もいるが、正真正銘の「ナトリウム-塩化物泉」(食塩泉)なのである。 源泉名は「八丁原地熱 熱水」。 湧出量は推定1600リットル/分。 泉温75.7℃。pH値は6.4の中性。 溶存物質1504mg/1kg・・・の温泉法による「温泉」なのである。 |
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| 8帖和室「月」の客室露天風呂(黒石風呂) | |
| 2003年8月には、筋湯温泉供給(株)が設立され、同年12月に温泉が供給された。 これは、発電用に汲み上げられた温泉を、各旅館に配湯する会社で、ただひとつ懸案事項だった、源泉に含まれるヒ素を取り除くプラントも完成した。 これにより、さらに温泉も良質になったわけである。 筋湯温泉には、地熱発電所を経由しない源泉もある。 「喜安屋」が、大浴場などで一部混合して使っている源泉名は「筋湯分湯組合」。 泉温94.3℃。pH値は7.6。 溶存物質は117mg/1kg・・・の「弱アルカリ性単純温泉」。 こちらは、沢の水に噴気をあてて「温泉」にしたもの。 「温泉法」による「温泉」とは、「地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスをを除く)」と定義してある。 つまり、この源泉は、地中から噴出した水蒸気に、水を入れることにより、液体化し、「温泉」となった。 これを、「造成温泉」と呼ぶ場合もあるが、これも充分に条件を満たした「温泉」なのである。 箱根の大涌谷から蒸気から作られ、強羅、仙石原など箱根の温泉街に供給される白濁の湯も、いわゆる水蒸気から温泉にした造成温泉の代表例である。 |
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| 「喜安屋」では、発電所経由の温泉をメインで使用し、男女別大浴場のみ、筋湯分湯組合の温泉と混合したものを利用している。 いずれにせよ、当時は「温泉偽装問題」が社会問題化し、温泉そのものに対して、マスコミも含めて詳しく知らない部分もあり、筋湯温泉の場合は、誤解されて伝わった事は確かだ。 | ![]() |
| この宿が所属している「日本秘湯を守る会」でも、地熱発電所に対して反対の意向を示しているのも、開発によって源泉が枯渇する事を恐れるだけでなく、このように筋湯温泉が発電所経由の温泉を使っているという事だけで「温泉偽装問題」の中にいっしょにされてしまう、いわゆる風評被害も気になるのかもしれない。 「喜安屋」にも、当時、電話での問い合わせが相次いだが、達也さんは、それでも前に進むしかないと腹を決めた。 | |
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| 九重“夢”大吊橋から見る「震動の滝」(7月中旬撮影) | |
山あいの宿 喜安屋 宿泊レポート
コラム
大分県中西部、玖珠郡に属する九重町に筋湯温泉はある。 九重町は東は由布市や竹田市に、北西は玖珠町、南西部は熊本県阿蘇郡に接している。 九州山地の一角を占めており、全体が山地となっている。 筋湯温泉の位置関係を温泉地で説明すると、由布院(大分県)は南西方面にクルマで37㎞。 黒川温泉(熊本県)は北東方面で1......
| この宿のキーワード | |||
|---|---|---|---|
| 全10室が離れの露天風呂付き客室 | |||
| 屋根付き屋外通路で結ばれた施設棟 | |||
| 野趣満点の源泉かけ流し貸切露天風呂 | |||
| 閑静で秘湯情緒たっぷりの山間の湯宿 | |||
| 地の旬の食材を並べた珠玉の献立 | |||
| こんな人はOK | |||
| 山の大自然に囲まれた環境をこよなく好きな方 ・温泉は源泉かけ流しに限ると思う方 |
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| こんな人はNG | |||
| 温泉宿にカラオケ・居酒屋が必要だと思っている方 部屋から一歩出ると屋外になるのが苦手な方 |
| IN | 15:00 | ||
|---|---|---|---|
| OUT | 10:00 | ||
| カード使用 | 可(Visa、MasterCard、JCB) | ||
| 部屋の眺望 | 庭園 | ||
| 部屋食 | 個室の御食事処 | ||
| 夕食の内容 | 地産地消にこだわった和食 | ||
| 朝食の内容 | 和食 | ||
| 公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】
公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 ・秘湯を守る会スタンプラリー(スタンプ10個で1泊無料ご招待) |
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|---|---|---|---|
| お得なプラン | 「平日限定・4名様以上1室がお得」プランなどお得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
| 8帖タイプ/露天風呂付き離れ (定員2~3名) |
¥20,900~ 休前日アップ料金 ¥550~ 全6棟 間取り・・・踏込+8帖+広縁(板の間)+ミニキッチン+客室露天風呂+T |
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| 10帖タイプ/露天風呂付き離れ (定員2~4名) |
¥22,000~ 休前日アップ料金 ¥1,650~ 全2棟「風」「空」 間取り・・・踏込+10帖+広縁(板の間)+ミニキッチン+客室露天風呂+T |
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| 創業/改築 | 創業:1967年(昭和42年)/改築:2006年(平成18年)/改装:2009年(平成21年) | ||
|---|---|---|---|
| 部屋数 | 全10室 | ||
| 収容人数 | 30名 | ||
| 貸切風呂 | 料金 :宿泊の場合 無料 利用時間 :15:00~22:00、翌5:00~10:00 ※宿泊客の休前日(繁忙日)の貸切可 予約方法 :予約なし(先着順) 眺望 :庭園 |
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| 大浴場・他 | 男女別大浴場(男女の入れ替えなし) | ||
| 駐車場 | 10台 | ||
| ペット | 不可 | ||
| バリアフリー | 非対応 | ||
| エステ・マッサージ | エステなし マッサージ40分¥4,000~ ※要予約 | ||
| インターネット | 無料 Wi-Fi あり | ||
| DVD | なし | ||
| TVチャンネル | 地デジ対応 | ||
| 施設 | - | ||
| 冷蔵庫のシステム | 持ち込み専用冷蔵庫(冷凍室不可) | ||
| 自動販売機 | あり | ||
| 売店 | アイスクリームあり(¥200~) | ||
| 浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
| タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
| ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
| コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
| シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
| ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
| くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
| 綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
| 車いす | - | ||
|---|---|---|---|
| お子様 | 子ども用スリッパ/子ども用浴衣・半纏/子ども用食器 | ||
| 外国語 | - | ||
| オススメお土産 | 「福を呼ぶ風の子」 | ||
|---|---|---|---|
| 近くのコンビニ | クルマで30分 | ||
| 携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
| 料金 | - | ||
|---|---|---|---|
| 利用時間 | - | ||
| ※食事付きプラン(要予約) | |||
| 料金 | - | ||
| 食事の内容 | - | ||
| 設定日 | - | ||
| 受付時間 | - | ||
| その他 | - | ||
| 料金 | - | ||
|---|---|---|---|
| 利用時間 | - | ||
| その他 | - | ||
| 電車 | JR豊後中村駅下車~バスにて45分~「筋湯温泉」下車 | ||
|---|---|---|---|
| 送迎 | なし | ||
| クルマ | (大分・福岡方面)大分自動車道・九重ICより30分 (熊本方面)やまなみハイウェイなどで2時間 | ||
| 周辺観光スポット | 九重“夢”大吊橋、小松地獄 | ||
|---|---|---|---|
| レクリエーション(観光農園、公園など) | ヘリコプター遊覧飛行(久住高原スカイパークあざみ台)、外湯巡り、キャンプ | ||
| スポーツ | - | ||
| スタッフより | 社長 矢野達也さんからのコメント 2006年に温泉街の中心から少し離れた静かな土地に移転をして、全ての客室を離れにし、源泉かけ流しの露天風呂を付けさせていただきました。 朝は鳥のさえずりに耳を澄ませながら、夜は星空を眺めながら静かな時間をご堪能ください。 |
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| 取材日 | 2012/06/22 | ||
| 一部情報更新日 | 2023/05/17 | ||
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※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
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この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。












