山あいの宿　喜安屋 やまあいのやど　きやすや Yamaai_no_yado KIYASUYA

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料理は緑深い山々と清流に囲まれた「喜安屋」ならではのもの。 海のものは一切使わずに、ヤマメや山菜など、地産地消をベースとした構成。 四季折々の天然素材の持ち味を活かし、滋味溢れる献立となっている。 ただし、単なる田舎料理ではなく、それぞれ趣向を凝らし美しく盛り付けられている。 部屋食はなく、夕食朝食ともに母屋の隣りにある完全個室の食事処「やまぼうし」でいただく。 昔ながらの素朴な雰囲気の中、九重の山あいらしい料理をいただくのが非常に贅沢なものに感じられる。

食事処「やまぼうし」

それでは、取材時（2012年6月下旬）の献立「ほたる月の膳」をご紹介しよう。 始めに自家製のプラム酒で乾杯。 近所で実っているプラムは、濃厚な甘みと酸味が食欲を刺激する。 先付は糸瓜のお浸し。 別名「そうめん瓜」とも呼ばれる糸瓜に、パプリカ、キャビア、乾燥シイタケ、海老そぼろをのせ、いりこ出汁をかけたもの。 珍味には貴重な山女魚（ヤマメ）のいくら。

食前酒「自家製プラム酒」 先付「糸瓜のお浸し」珍味「山魚女のいくら」

前菜は初夏を感じさせる色合い。 富貴葉キャラ煮、達磨焼、絹担ぎ、野菜のかりん糖、蓮芋利休、鴨の燻製、南瓜かるかん蒸しが皿の上で競演する様は、一つの絵画のようである。 富貴葉とは、蕗の葉のこと。 達磨焼はニジマスの上に卵白で作ったメレンゲを乗せたもの。 野菜のかりん糖はニガウリを蜜炊きにしてから干し、さらに揚げてからグラニュー糖をまぶした一品。 それぞれ職人の細かい仕事が十二分に発揮されている。

前菜「富貴葉キャラ煮 達磨焼 絹担ぎ 野菜のかりん糖 蓮芋利休 鴨の燻製 南瓜かるかん蒸し」

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