忘れの里 雅叙苑 - コラム~総括(5)-

昭和63年(1988年)、ついに10室目の客室を完成させる。
一番奥の道路側の傾斜地に建てたのは、露天風呂付き離れ特別室「椿」だった。
宿泊料金も5万円前後ということで、女将さん曰く「他の部屋がいつもいっぱいだから、あまりお客が入らない部屋があっても面白いかもね。」・・・ということだったが、実際は違った。
これも予約が殺到したのだ。
当時はバブル経済の時代。お金が余っている風潮だった。
しかしながら、現在でも「椿」の人気は高い。
多くの文化人、芸能人がこの部屋を選択し、リピーターとなった。
そして、この「椿」の完成により、「忘れの里 雅叙苑」の完成形を見ることになった。
昭和45年の創業以来、「オンリーワンの宿」がとりあえず、形となったのだ。
忘れの里 雅叙苑 - コラム~総括の画像
2010年にお風呂リビングに改装を施した特別室離れ「椿」(Eタイプ)
この「雅叙苑」の成功は、多くの旅館関係者に多大な影響を与えた。
こぞって、この宿を視察に来た。
それは人気旅館の宿命。その宿に売れる要素があれば、いくらでも模倣し、いくらでも自分の宿に取り込む。
いつの間にか、日本中に「雅叙苑」もどきの離れ旅館が次々に誕生していった。

平成5年(1993年)、田島社長は、次なる一手を打ち出した。
「次やるのは誰にもマネされないことをやってみよう。」
それが「天空の森」構想の出発点だ。
そして「温泉」というキーワードの他に「リゾート」という考え方を取り入れた究極の「温泉リゾート」。
そして次なる「オンリーワン」を作るべく、動き出したのだ。
この頃から「雅叙苑」は女将さんが主導、田島社長は「天空の森」にかかりきりとなる。
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天空の森 デイステイ・ヴィラ(日帰り用ヴィラ)「花散る里」
平成10年(1998年)、「雅叙苑」は外来入浴の営業をやめた。
同時にチェックアウトの時間を12時。チェックインを12時とした。
その時間差、なんと1時間!
これも時代の先取りなのか、お客様のニーズを汲み取っての決断に他ならない。
温泉旅館が苦手な人の理由は、朝食が早い、朝は電話でたたき起こされる・・・などというように、せっかくの休みなのに寝坊ができない。
チェックイン時は大歓迎、翌朝のチェックアウト時は追い出しされるような錯覚を感じてしまう。
よくある温泉旅館の朝のワンシーンでもある。
それではお客様はついてきてくれない。
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宿の運営上、インが13時、アウトが12時など、大変に決まっている。
でもそれをやらないとお客様が納得してくれない。
ここまでこだわるからこそ「雅叙苑」の人気は衰えない。

今、思えば田島社長の眼力、人を見る目が凄いと思ってしまう。
この女将さんなくしては、今の「雅叙苑」の成功、そして「天空の森」の具現化はあり得ない。
創業から地獄のような10年間があったからこそ、今の「雅叙苑」がある。

その結果、この宿には他にはない、言葉で言い表せないほどの魅力が満ち溢れている。

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忘れの里 雅叙苑 宿泊レポート


コラム
コラム

「忘れの里 雅叙苑」は、鹿児島県北部、霧島温泉より南側に位置し、鹿児島空港からクルマで15分のロケーションの妙見温泉にある。妙見温泉は、天降(あもり)川に面していくつかの温泉旅館が建ち並んでいるが、元々は湯治場として地元の人々に愛されてきた素朴な温泉地なのだ.....

貸切&客室露天 レポート
貸切&客室露天 レポート

「忘れの里 雅叙苑」と言えば、部屋に温泉風呂が付いているイメージがあるが、外にも個性的な貸切風呂が用意されている。すべての湯舟が源泉かけ流しで、自家源泉を使用。泉質は「ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉」.....

施設&温泉  レポート
施設&温泉 レポート

「忘れの里 雅叙苑」は、妙見温泉の中心地、天降川(あもりがわ)に沿った細い道を、木の看板を手がかりに坂道を下っていくと辿り着く。敷地は天降川沿いに横長の形。苑内に入ると「この道 にわとり優先」の看板が目に入る。どんどん前に進むと、茅葺きの屋根がはっきりと見えてきた.....

客室 レポート
客室 レポート

茅葺き屋根が印象的な、独立した離れ形式の客室は、全8室。 すべての客室に露天風呂、またはお風呂リビングと言われる、源泉かけ流しの湯船が備わる。 いずれも昔から.....

料理 レポート
料理 レポート

まず、「忘れの里 雅叙苑」の料理を紹介する前に、基本の「食材」について説明させていただく。実に驚くべき事だが、実に食材の90%以上は、自給自足で賄っているという点だ。野菜はほぼすべて、「天空の森」の自家菜園で作られている。しかも「オーガニック(有機栽培)」であり「無農薬」.....

おまけ レポート
おまけ

「雅叙苑」のスタッフの接客の基本は、ベッタリお客様にまとわりつくような事はしない。プライベートな空間にはできるだけ近づかないスタンスだ。それでいて、客の要望を汲み取ってくれている。これほどの人気旅館でありながら、敷居の高さを感じさせないのはなぜか?.....

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この宿のキーワード
元祖・露天風呂付き客室の宿
薩摩の生活文化を伝承する「日本旅館」
美肌とリラックス効果のある温泉をかけ流し
無農薬・有機栽培の自家菜園からの食材
新提案・お風呂リビングが大評判
こんな人はOK
・本当の地産池消の料理を食べたい方
・旅館に故郷の郷愁を感じたい方
こんな人はNG
・批評家気取りで粗探しが趣味の方
・賑やかに遊ぶ事が温泉旅行だと思っている方

忘れの里 雅叙苑 基本情報

宿泊情報

IN 14:00
OUT 12:00
カード使用 カード(VISA / JCB / AMEX / DINERS / MASTER)
コード決済(PayPay)
現金
部屋の眺望 川・山
部屋食 なし・・・「食処 いちょうの間」で提供
夕食の内容 自家菜園から採れる無農薬野菜や自家牧場のニワトリなどを使った、古き良き時代の日本の田舎のご馳走
朝食の内容 近海の魚や産みたての卵を使った料理や具だくさんの味噌汁など、古き良き時代の日本の田舎の朝のご馳走

宿泊料金 ※料金は1室2名様宿泊時の1名様分 (税込)

公式HPネット予約特典 【ベストレート(最低価格)保証】公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。
公式HP予約限定★ワンドリンクサービス:オーガニックソーダ or 本日のおすすめ焼酎(グラス)
お得なプラン インターネット優先プランなど、詳細は公式をチェック★
和室スイート「空(そら)」※2022年リニューアル ¥110,150~ 休前日アップ料金 ¥5,500~
和室25.5帖(ベッド付き)+ 半露天内湯 + 風呂付き縁側 + トイレ(定員2~5名)
和室スイート「光(ひかり)」※2022年リニューアル ¥93,650~ 休前日アップ料金 ¥5,500~
和室24.5帖(ベッド付き)+ 半露天内湯 + 縁側 + トイレ(定員2~5名)
Etype お風呂リビング付離れ特別室「椿」 ¥65,050~ 休前日アップ料金 ¥5,500~
1F:リビング(箱火鉢)+2F:和室6帖+6帖+お風呂リビング+シャワーブース+トイレ(定員2~5名)
Dtype 露天風呂付離れ「かぜ」 ¥55,150~ 休前日アップ料金 ¥5,500~
和室6帖+4.5帖+ウッドテラス+デイベッド+客室露天風呂+露天シャワーブース+トイレ(定員2~4名)
Btype お風呂リビング付離れ ¥52,950~ 休前日アップ料金 ¥5,500~
和室6帖+次の間+お風呂リビング+トイレ。(定員2~3名)

施設情報

創業/改築 創業:1970年(昭和45年)/改築:2023年(令和5年)
部屋数 全8室 (露天風呂付客室8室※お風呂リビング含む)
収容人数 32名
貸切風呂 貸切風呂×3(建湯×2/ラムネ湯×1)
料金 :無料(宿泊客) 
※「建湯」利用の食事付き日帰りプラン(12:00~15:00)あり・・・3,300円or 6,600円
利用時間 :15:00~(宿泊客)
予約方法 :予約なし(先着順)
眺望 :川・山
大浴場・他 以前男女別浴場だった「建湯(たけるゆ)」が、貸切制になりました。
利用時間:24時間OK ※清掃時間以外
駐車場 10台
ペット 不可
バリアフリー
エステ・マッサージ あり(天降川沿いのエステルーム「雅叙苑スパ」)
インターネット 全客無線LAN(Wi-Fi)&有線LAN対応
DVD
TVチャンネル NHK2局、民放4局
施設 囲炉裏小屋(ロビー) / 食処喫茶 不忘舎 / お土産コーナー(フロント棟) / 食処 いちょうの間 /エステルーム「雅叙苑スパ」 / 貸切風呂「建湯 / 貸切風呂「ラムネ湯」
冷蔵庫のシステム 持ち込みのドリンクを入れるスペースあり/冷凍室あり
自動販売機 なし
売店 あり
浴衣 バスタオル
タオル 石鹸
ボディソープ シャンプー
コンディショナー リンスinシャンプー
シャワーキャップ 歯ブラシ
ドライヤー ブラシ
くし カミソリ
綿棒 洗浄機付きトイレ

その他サービス・レンタル情報

車いす
お子様
外国語

おまけ情報

オススメお土産 地鶏燻製、黒豚ベーコン ※宿のオリジナル
近くのコンビニ 車で10分
携帯アンテナ ◎docomo ◎au ×softbank

貸切利用

料金
利用時間
※食事付きプラン(要予約)
料金
食事の内容
設定日
受付時間
その他

男女別利用

料金
利用時間
その他

忘れの里 雅叙苑 温泉情報

泉質 ➀ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(低張性 中性 高温泉)
②ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉(低張性 中性 温泉)
※②は貸切風呂「ラムネ湯」のみ
源泉の温度 ①47.6℃ ②35.0℃
湧出量 ①②合計約150リットル/分(推定)
水素イオン ①pH 6.5 ②pH 6.2
溶存物質総量(ガスを除く) ①1,220mg/kg ②1,031mg/kg
源泉の湧出状況 ①掘削自噴 ②自然湧出
※すべて自家源泉
加水/循環ろ過 すべてのお風呂は源泉100%かけ流し。
ただし、①に関しては、夏季に温度調節のため加水する場合あり。
加温 なし
消毒 なし
浴槽の湯の入替 1日1回
入浴剤 不使用
泉質別適応症(平成26年7月1日改定) ①②きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり
( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、
運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下
( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、
軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、
ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進
湯の色 ➀淡白色澄明 ②無色澄明
飲用 不可 ※保健所に飲用申請を不提出
飲用の適応症
におい/味 ➀無臭/微塩味 ②微金気臭/微金気味
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忘れの里 雅叙苑 交通アクセス&周辺情報

交通アクセス

電車 鹿児島市内から林田バス利用の場合、特急で約1時間10分。妙見温泉で下車。
送迎 なし
クルマ ・鹿児島空港よりクルマで約15分。
・九州自動車道・溝辺インターよりクルマで約15分。
・鹿児島市内からは九州自動車道を経由し、クルマで約50分。

周辺情報

周辺観光スポット 和気神社、和気公園、犬飼の滝、霧島神宮、霧島連山
レクリエーション(観光農園、公園など) よしみ観光農園、吉村観光農園、あきひろ農園
スポーツ
スタッフより 女将 田島悦子さんからのコメント

お客様には非日常の雰囲気の中で時をすごしていただけるように心がけております。
取材日 2024/02
一部情報更新日 2025/09

※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。

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この宿の記事制作者

温泉コム株式会社 代表取締役

30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。

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