十勝川温泉　三余庵 さんよあん TokachigawaOnsen SANYOAN

この宿を語る上で、まずは十勝川温泉が誇る「モール温泉」について触れておきたい。
「モール」とはドイツ語で「亜炭」という意味で、別名「モール温泉」とも言う。
炭化が進んでいない泥炭や、長い時間をかけて堆積した亜炭層から汲み上げる源泉は、植物性の有機物が含まれ、世界的に大変貴重な温泉なのだ。
希少性だけでなく、植物由来の湯なので、当然肌にも優しく、「美人の湯」として知られる名泉だ。
視覚的にも、透明度のある琥珀色をしており、その神秘的な美しさも魅力的に映る。

神秘的な美しさを放つ「モール温泉」

「三余庵」では、11室ある客室の全てに「モール温泉」が引かれている。
その中でも、「357／春の海」「351／桜の園」の2室は、広々としたオープンテラスに露天風呂を備えた客室。
残りの9室が、秋田檜の内風呂を備えた客室になっている。
いずれにせよ、貴重な「モール温泉」を独占でき、贅沢な湯浴みとなるだろう。

それぞれの客室風呂を詳しく解説しよう。
まずは、宿泊料金によるグレードの高い、露天風呂付き客室2室からだ。
どちらも、広々としたテラスに高級感のある石造りの浴槽を備えており、100％の源泉が贅沢に注ぎこまれている。
湯浴みをしながら景色を望むのは難しいが、テラスから十勝平野に広がる十勝川温泉の景色を眺めることができる。
「357／春の海」の方が、若干ながらテラスが広々とした印象を受けた。

「357／春の海」の客室露天風呂

「351／桜の園」の露天風呂も、充分な開放感が味わえる。
大きな北海道の空の下で「モール温泉」に浸かっていると、太古の昔に戻ったような、そんな不思議な気分で湯浴みができそうだ。
また、この客室のみ露天風呂の他に、秋田檜の内風呂も装備している。
こちらは、蛇口をひねれば100％の源泉が出てくるので、好みの温度で湯浴みができる。

「351／桜の園」の客室露天風呂と内風呂