積翠寺温泉　古湯坊　坐忘庵 せきすいじおんせん こゆぼう ざぼうあん Sekisuiji-onsen Koyubou ZABOUAN　

前へ 1 2 3 4 5 この宿の公式ページへ

実さんにはお子さんが3人いる。 しかし、子供に後を継いで欲しいという思いは、一切ないと語る。 それよりも、今この時代に、真摯に何をできるか、ということを重視している。 実さんは、後継として、経営の経験を積んだ社長であれば身内にはこだわらず、むしろ自分自身は最後まで料理人として包丁を握っていることが夢なのだ。 時代の最先端を目指し、新たな創造を求める姿勢の若き当主の挑戦は、これからも続く。 未来がとても楽しみな宿だ。 さて、この隠れ宿は、豊かな自然と歴史的な背景、そして首都圏からのアクセスも良く、客層は非常に幅広い。 高齢のご夫婦、若いカップル、子ども連れのファミリー、歴史好きないわゆる"歴女"のグループなど多彩だ。 それだけにたくさんのプランが用意されている。 その中でもお得なプランを3つご紹介しよう。 1つ目は、「早割14！女性支持率Ｎo１選べる③特典　1,000円引き」プラン。 このプランは、アンケートで女性に満足度が高いこだわりの料理（夕食：翠楼とうふ懐石、朝食：鯛めし）で、夕食がゆっくり部屋食になるというもの。 しかも、14日前までの予約は、価格は据え置きで、以下から特典を一つセレクトすることができる。 ①料理グレードUP・・・和牛石焼きステーキ生ゆば添え追加 ②ゆっくり過ごせる21ｈステイ・・・チェックアウトを昼の12時に ③ボディーケア ヘッドセラピー30分1名様無料（お部屋可） 2つ目は、「夜景まで独占！特等席の特別室と極上の朝露天（貸切）」。いわゆる特別室専用のプランだ。 まるで宝石箱のような夜景を、山あいから望み、贅沢なステイができるだろう。 このプランは特典多数。 ①料理グレードＵＰ・・・和牛（サーロイン）生湯葉添えor鯛のあら炊き、 ②ゆっくり過ごせる21ｈステイ・・・チェックアウトを昼の12時に ③朝9：30～11：30の時間帯の、朝の貸切露天風呂 ④甲州種ワイン（白）フルボトル
	3つ目は、「Happy Birthday！ご相談ください♪記念日のおもてなし」。 内容は、誕生日・記念日・特別な日にいつもお世話になっているあの人に、感謝の気持ちを形にして伝えるプラン。
電話でスタッフに相談すれば、一緒に素敵なサプライズを演出してくれるはずだ。 特典は、以下のもの。 ①到着時フロントにてサンクスレター付き花束でサプライズ。（3,150円　相当） ②想い出の写真をケーキにプリントしたオリジナルケーキ これはサプライズの一例。 この他にも様々なプランが用意されているので、詳しくは公式HPをご覧いただきたい。 保坂実社長に、現在の宿の満足度を訪ねると、驚くべき回答が待っていた。 「100点満点だと22点ぐらい」だという。 この点数は、まだこの宿は、単に維持してきたに過ぎないと言うのだ。 「現状に甘んじることなく、大人気の鯛めしすら止めてしまえるようなことがあれば、すぐに取り入れたい」と、成功例にこだわることなく攻める部分を忘れない。 これからも、実さんの挑戦は、終わらないだろう。 2011年3月11日の東日本大震災で、東日本の温泉旅館は大きく影響を受けた。 しかし、「坐忘庵」の集客はほとんど落ちていない。 ここ10年の保坂兄弟による改革で、かなりのリピーター客を獲得しているからだろう。
	新たなことに挑戦をしながらも、あくまでもお客様目線で、誠実に接客をする。 例えば、災害がきて、計画停電が実施されるようなことがあったら、自分達ができることは、全てやるという姿勢。
災害だから仕方がないと、お客に不便を強要することは考えない。 お客にとって、宿が暗くて寒いということであれば、宿を閉めなければならないと考える。 高品質のサービスを維持できなければ、営業してはならない。 そんな経営方針が、多くの常連を生み出している。 要害山の麓の標高780ｍ、甲府盆地を見下ろし静かに佇む一軒宿。 ふもとの街は姿を変えても、武田信玄も見たであろうこの山々の稜線。 首都圏から近いこの場所に、これほど世俗から離れた宿があることが不思議に思える。 ふと、このような環境に身を置けることに感謝し、大自然に感謝する心を抱いている自分に気づく。 何も想わず、何も願わず、自分の体が消え去ったような気持ちで、ただただ自然を拝む環境が、ここにはある。 この宿は、甲府市内からのアクセスがいいにも関わらず、まさに市街地とは別天地の静けさがある。 もちろん民家も近くにはない。 その静寂さがこの宿の最大のアピールポイントなのだ。 2007年（平成19年）10月、十八代目・実さんは「古湯坊」という旅館名に、さらに「坐忘庵」と付け加えた。 「坐忘」というのは、仏教用語。 喧騒を離れ「無」のなかに静座し、現前の世界を忘れ、雑念を除くことだと言われている。 悟りを開くためには、座って雑念を捨てて、無になることが必要。 雑念や喧騒といった社会の音を遮断した時に、自分というものが見えてくる。 自分を見るということがなかなかできない時代だからこそ、日々に追われる中で、古湯坊が「何もしない贅沢」ができる空間となるよう「坐忘庵」と付け加えた。 坐して日常のことを忘れるには最適の宿かもしれない。 「坐忘庵」という名が付け加えられたのは必然だったのだろう。 「古湯坊　坐忘庵」という宿は、不思議な宿だ。 流行の設計デザイナーが手掛けた宿でもなければ、生粋の日本旅館かと言われれば、そうでもない。 標準的な客室でも、ニ間あり、しかもベッドが置かれている。 そこには、背伸びしない、快適な空間が当たり前のように用意されていた。 高級旅館のようなしっとりとした佇まいを残しながら、宿泊料金は手ごろ。 社長が料理人ゆえ、原価度外視（？）の献立。 その絶妙なバランス感覚に成り立っている宿は、心地いい風を感じさせてくれるはずだ。 探せば、いろいろとこの宿の個性が見えてくる。 この宿は、現代人にとっての要害城。 何かあった時、日常からエスケープしたい時に、訪れたい宿なのかもしれない。（JIN／IZ）

前へ 1 2 3 4 5 ページの上に戻る