丸駒温泉旅館 まるこまおんせんりょかん MARUKOMA Onsen Ryoka

夕食は、基本的にお部屋でいただく。
派手さはないが、素朴な北海道ならではの献立が用意されている。
また、1日5組限定の囲炉裏会席のプランを選ぶと、食事処「唐花草（とうかそう）」でいただくことになる。

食事処は入り口から凝られており、料亭の雰囲気を醸し出している。
席には全て囲炉裏がついており、掘りごたつ席とテーブル席の好きな方を選択できる。

食事処「唐花草（とうかそう）」
	なお、宴会場もあり、大人数での宿泊の場合や会食等にはこちらを利用することになる。
大広間「鼓草」

それでは料理を紹介していこう。
取材時（9月初旬）の料理は夏の囲炉裏会席だ。

囲炉裏を囲んで食材が並ぶ様子は温かみがあり、和やかなムードを演出してくれる。

囲炉裏会席の様子
	食前酒は梅酒だ。料理は珍味「帆立貝柚子味噌和え」から始まり、柚子の香りが爽やかな気分にさせてくれて食事がスタートする。 前菜には行者にんにくの醤油漬け、烏賊三升漬け和え、手作りトマト寄せが並ぶ。
珍味「帆立貝柚子味噌和え」、前菜「行者にんにくの醤油漬け、 烏賊三升漬け和え、手作りトマト寄せ」
御造里には北海道を代表する雲丹や支笏湖の名物である姫鱒、〆鯖が並ぶ。 肉厚なお魚は食べごたえも十分。姫鱒は天然物で採れたてということもあり、臭みを感じることはなく、脂の乗った濃厚な味わいが印象的。 また、雲丹も新鮮そのもので口の中に広がる甘みが非常に美味であった。
	また、姫鱒は陸封型のベニザケであり、この辺りでは「チップ」と呼ばれている。6月1日～8月31日の間は釣りの解禁に伴い天然ものを味わえる。 姫鱒を堪能するなら、ぜひこの期間内に訪れるのがいいだろう。
御造里「雲丹、姫鱒、〆鯖、妻一式」

メインとなる焼き物は串ものと網焼きのものに分かれている。
どちらも北海道ならではの食材が並び、火の通りを待つ時間も楽しめる。
串ものには姫鱒をはじめ北寄貝のさつま揚げとベーコン串焼き。
網焼きのものには、帆立貝殻盛、蟹甲羅焼き、開きキンキ、その他の野菜が並ぶ。

塩焼きの姫鱒は同じ赤身の鮭に比べると少し淡白になり、上品な味わいと言えるだろうか。

塩のさっぱりとした味付けがやはり美味しい。

焼き物で嬉しいのは一人にひとつつく蟹甲羅焼の蟹味噌だ。

こちらはそのままいただいてもいいし、他の食材を絡めていただくのもいい。贅沢な蟹づくし気分も味わえるだろう。

串もの「姫鱒（チップ）串焼き、北寄貝のさつま揚げ、ベーコン串焼き」
焼き物「帆立貝殻盛、蟹甲羅焼き、開きキンキ、他野菜色々」
	続く蒸し物は茶碗蒸しだ。 中には刻み鰻と百合根が入っており、かめばすぐに崩れるほろりとした食感とそれとよく絡む蒸し卵、出汁がとても深い味わいを感じさせてくれた。
	食事は釜飯だ。葉物野菜や小魚などの入った炊き込みご飯になっている。 味がしっかりついているので、すっきりとしたお吸い物がちょうどいい。 香の物三種盛り合わせもつく。
	デザートはメロンだ。水気たっぷりのメロンが食事の最後を爽やかに締めくくってくれる。北海道といえばやはりメロンは外せないだろう。 赤肉のメロンはジューシーで甘みもしっかりしていた。

以上が夕食の囲炉裏会席のメニューとなる。
今回のように暖かい時期は串焼きと網焼きがメインだが、空気の冷たい11月～5月の間は鍋料理がメインに変わる。

囲炉裏で煮込まれる鍋料理もまた、郷土の風景といった感じで、日常でなかなか味わえない雰囲気の良さが魅力的だ。