頬杖の刻 ほおづえのとき HOOZUE_no_TOKI

「BEAUTY ＆ SPA RESORT IZU 頬杖の刻」は、もともと別の名前で「旅人岬」の小さなリゾートホテルとして、営業していた。
その宿を作ったのは、現社長の父である故・西巻貞雄さん。
脱サラして、1978年（昭和53年）に、奥さんの美鈴さん（現・専務）と、幼い2人の子ども（長男で現在社長を務める信一郎さん、長女で現・常務の佐知子さん）を連れて、東京から土肥に移住し、恋人岬の近くでペンション経営を始めたのが出発点だった。
「家族みんなで仕事がしたい」というのが、貞雄さんのどうしても実現させたい夢だったのだ。

豊かな自然溢れる環境で、信一郎さんと佐和子さんはすくすくと育ち、経営も順調に軌道に乗っていった。
そして、ペンション（現在は老朽化のため閉鎖）の誕生から24年後、2002年（平成14年）に2軒目の宿としてオープンさせたのが、この宿の前身だったのだ。
当時は、ペンションの気軽さに、シーサイドリゾートホテルの開放感をプラスした、ワンランク上の施設という事で人気を博した。
全室オーシャンビューにこだわった眺望の良さが、最大の魅力となった。

その後、貞雄さんは、専務の美鈴さんや、成長した信一郎さんと佐和子さんとともに、2005年（平成17年）には、「森の入り江の離れ宿 無雙庵 枇杷（むそうあんびわ）」をオープンするに至る。
この頃は、すでに現社長である信一郎さんが陣頭指揮をとっていた。
こちらは、全8室露天風呂付きの源泉かけ流しの温泉宿なのだが、父親が作った宿と比べるとより一層高級路線で売り出した。
館内の設えはモダンな古民家調に統一。
客室には囲炉裏があり、重厚感を漂わせる梁をふんだんに使用している。
駿河湾と土肥の入り江を望む高台にあり、ロケーションも申し分ない。
信一郎さんのセンスが館内に散りばめられ、スタートしてすぐに、予約のとれないほどの人気宿になった。

子供たちの成長を頼もしく見ていた貞雄さんは、惜しくも2010年に、61歳の若さでこの世を去る。
そして、信一郎さんは、その遺志を引き継ぎ、翌2011年には、さらにラグジュアリー路線を突き進み、海に浮かぶ富士山を一望できる「富岳群青」を誕生させる。
業界でも話題となった、超高級温泉リゾート旅館をオープンさせたのだ。

そして、信一郎さんは、さらなる進化を求めて、「旅人岬」のホテルを、2012年7月に大改装を施し、新たに「BEAUTY & SPA RESORT IZU 頬杖の刻」として生まれ変わらせた。
それは、地中海を望むヨーロッパの小さなホテルのような佇まいで、個性的な雰囲気を醸し出している。
以前より洗練されたデザインを施し、特に客室は高級リゾートを思わせるようにもなった。

客室グレードは２つ。
2階の5室は「ラグジュアリースイート」と呼び、ベッド（ツインｏｒダブル）＋和室8帖＋テラス＋客室露天風呂＋ＢＴといった間取り。
3階の5室は「プレミアムスイート」と呼び、各部屋によって贅沢な家具が配されている。
天井も高く取られており、古材を使った梁も印象的。
間取りは、2階とほぼ変わらないが、和室部分が広くなっている。

公式HPの打ち出している宿泊プランを見てみると、早割プランが用意されており、お得に宿泊できるようになっている。
季節によって、限定プランもリリースされるが、基本は客室グレード選びから考えるという事だ。

いずれにせよ、公式HPでの予約が最もお得という最低価格保証、いわゆる「ベストレート保証」を打ち出しているので、予約は直接宿に申し込んだ方がいいだろう。