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創業300年を誇るこの宿は、大峯山のふもと洞川(どろがわ)温泉の中心部に位置する老舗旅館。
「紀の国屋甚八」という旅館名は、初代館主・友吉氏が、徳川八代重倫卿から「紀の国屋」という屋号と共に、“子々孫々に至るまで旅館業を天業とすべし”との言葉を授かった事がきっかけ。
それを機に、自らの名前も「甚八」と改めた事に由来する。
館内は、玄関から客室、廊下に至るまで、どこに目を向けても、和の情緒たっぷりの佇まい。
これまで数多くの旅人の疲れを癒してきた、歴史の積み重ねが感じられるのだ。
この地は名水の産地としても有名であり、五代松鐘乳洞から湧き出る天然のミネラルウォーター「ごろごろ水」は“神の水”とも称される。
夕食は、この水を使って調理した会席膳をいただける。
鍋や魚料理はもとより、ご飯や味噌汁、豆腐といったありふれた品でさえも、名水によって引き出された奥深い味わいが堪能できる。
また、「紀の国屋甚八」は、大峯山の修験者たちに利用されていた宿でもある。
お土産として販売されている“陀羅尼助丸”という胃薬は、修験道の開祖である役業者の手によって作られたと言われ、なんと1300年もの歴史を持つ。
はるか昔から、この土地に暮らす人々の健康を守り続けてきた効果、一度試してみる価値はあるはずだ。(AMA)
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