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新潟県の山間部、福島県よりに咲花温泉がある。この温泉地は福島県、猪苗代湖を源流とする阿賀野川の景観が美しいことで知られている。
「佐取館」はその阿賀野川沿いに佇むが、その川幅200m弱と言われる大河の眺望が自慢の人気宿となっているのだ。
特に最上階の男女別大浴場の露天風呂からの川の眺めは、周辺の山々と合わせ、まさに風光明媚、山紫水明の風景を堪能できるはずだ。
咲花温泉の泉質もいい。実は女性に人気の美人湯と言われる泉質なのだ。なにしろ、美人湯の条件というのは、「pH7.5以上」のアルカリ性温泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉、または硫酸塩泉という4つの条件の1つでもあればということらしい。しかしこの咲花温泉は、アルカリ性で、硫黄泉、そして硫酸塩泉の泉質もあるので、なんと4つの条件のうち3つをクリアした、正真正銘の「美人湯」と言われているのだ。
一見透明に見えるお湯だが、エメラルドグリーンにも見える「翠玉の湯」と呼ばれる温泉は、地元の方はもちろん、新潟県外からも多くの温泉ファンが訪れている。
ただし源泉は温泉組合で集中管理して各旅館に配湯されているわけだが、絶対量が少ないため、この宿では男女別大浴場の露天風呂(内風呂は水道水使用)と、貸切露天風呂「檜の湯」「織部の湯」の4つの湯舟のみしか咲花温泉を体感できない。
客室はほとんどが、雄大な流れを見せる阿賀野川に面していて、落ち着いた空間が用意されている。
その阿賀野川では遊覧船を使った名物のライン川下りが楽しめる。この宿には舟付き場もあるので、その舟を使ってチェックインするというのも面白い。
また、この宿はバリアフリー対応の宿として、年配客に対しても過ごしやすい環境は整っているようだ。
料理は食事処でいただく。取材時(2007年7月)では、まず、滝川豆腐、鮎南蛮漬けから始まり、次に鯛しゃぶをいただいた。お造りは日本海の海の幸五種盛り。煮物は越後もち豚と竹の子のパン茶巾オランダ煮。洋皿として特選和牛のローストビーフ。焼き物として焼たらば蟹と柳鰈(カレイ)南蛮焼味噌焼。油物として才巻海老花揚げ、豆打寄せ豆腐、玉蜀黍(とうもろこし)新丈串揚げ。最後に焼きおにぎり茶漬けと香の物。水菓子にオレンジムース、キウイ、ラズベリー。味だけでなく、料理の彩りも見事なものだった。
さらにお楽しみとして、社長の娘さん(元テレビ新潟アナウンサー)が行っている英国式リフレクソロジーが評判を呼んでいる。足裏やふくらはぎを刺激して、血液やリンパの流れを良くして血管の老化を防ぎ、臓器を活性化して新陳代謝を促進し毒素を出しやすくするといった効果があるという。大浴場前で行っているせいか、入浴後の客でいつも賑わっている。もちろん男女問わないので、ぜひ宿泊の際は体験していただきたい。
また、「佐取館」の玄関前にはJRの磐越西線が通っており、週末はSL(蒸気機関車)が走ることで、カメラマンが一斉に押し寄せる。
また、この温泉地はイベントも盛んに行っており、特に夏は水中花火大会がある。ぜひ、この宿に泊まって特等席を確保していただきたい。
なんとも話題の多い宿なのであるが、基本は大きな川沿いの静かな宿の趣だ。
阿賀野川をボーっと眺めていると、常日頃悩んでいることなど、自然に忘れて流れていくような感覚も味わえるかも。(J) |