彩華の宿 多々見 - コラム~総括(3)-
現在、この宿を率いているのは、二代目社長にあたる多々見健一さんと、若旦那の多々見英二常務。 三郎氏が創り上げた、“料亭生まれの料理宿”というアイデンティティを守りながらこの宿を成長させてきた。 そして、この宿の人気が更に高まったのは、若旦那の奥さんで、若女将の多々見美保さんの助力も大きかった。 歌手の平原綾香さん似の美人若女将で、洋服で気取らずに接客する姿にファンも多いという。 | |
若女将の多々見美保さん | |
北海道岩見沢市出身の美保さんは、短大卒業後、もともと札幌市内の某大手旅行会社で勤めていた。 その時出会ったのが、現在の女将。 それが縁となり、26歳で若旦那の英二さんと結婚し、宿に入った。 もともと旅行代理店に勤めているだけあり、美保さんの豊富なアイデアは、すぐにこの宿にいい影響を与えていったようだ。 若女将が宿に入って4年後の1999年(平成11年)、屋号を「ホテル多々見」から、現在の「彩華の宿 多々見」に改称。 同時期に、貸切露天風呂「菊花の湯」と「蘭花の湯」を完成させる。 大型温泉ホテルのイメージだったが、個人旅行者向けの宿へ、転換期となったのがこの時だ。 | |
貸切露天風呂「蘭花の湯」 | |
翌年にも、喫茶コーナー「彩珈房(さいこうぼう)」の改修工事、女湯の大浴場につぼ風呂と打たせ湯を増設するなど、この宿は変化していった。
2001年(平成13年)には、個室の食事処「彩華庵(さいかあん)」が完成。 それまで部屋食のみだったのが、お客のニーズに合わせて、食事の場所を選ぶことができるようになったわけだ。 翌年には、玄関脇に足湯「ぴえ」を新設した。 2006年(平成18年)には、温泉の内風呂を備えた客室「芽生(めばえ)」が誕生。 スタイリッシュな和洋室の設えで、この宿にまた新たな魅力が増した。 さらに同年、貸切岩盤浴「温石寝(ぬくいね)」が完成。 |
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貸切岩盤浴「温石寝(ぬくいね)」 | |
これらの改装は、「どうすれば気持ちよく過ごしていただけるか」、「どんな方にでも温泉を楽しんでいただきたい」という、温泉旅館のあるべき姿に立ち戻った発想から生まれてきている。 そしてこの姿勢は、お客のニーズに合わせて、料亭から旅館に変わった頃から変わっていない、「多々見」の軸となっているものだ。 |
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公式HPで打ち出している宿泊プランにも、千差万別の宿泊客に敏感に応える姿勢が行き届いている「旅行の目的は料理」という方には、グレードアッププランや季節限定のカニ尽くしプラン、量控えめ質重視のプランなどが用意されている。 | |
リーズナブルな料金ながら、この宿の最大の魅力はやはり料理。 たまには、贅沢に、好きなものを好きなだけいただいてはいかがだろうか。 赤ちゃんのいるご夫婦に人気なのが「赤ちゃんと一緒に安心プラン」。 こちらプランの特典が盛りだくさん。 まず、チェックインは30分早く入ることができ(15:00→14:30)、チェックアウトは1時間ゆっくりになる(10:00→11:00)。 また、赤ちゃんの急な発熱で当日来れなくなった場合でも、朝8時までならキャンセル料が無料になる。 しかも、大人と同じように厳選した加賀の食材を使い、和食料理人が丁寧に手作りする離乳食も無料。 さらには、岩盤浴がお母さんに限り1,000円割引にもなる。 そして、嬉しいことに、赤ちゃんに必要なグッズが無料で使い放題になっている。 紙オムツ、紙パンツ、粉ミルク、フォローアップミルク、粉ミルク調乳用ポット、シャワーチェア等のお風呂グッズなど、安心の備えだ。 客室に紙オムツ用のダストボックスの用意のほか、赤ちゃん用のバスタオルも1枚用意してくれる。 |
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赤ちゃんと一緒に安心プランと同様に、 マタニティープランにも妊婦さんが安心できるサービスが用意されている。 ちなみにこちらも、当日朝8時までのご連絡に限りキャンセル料は無料。 食事についても、味覚が敏感になっていてる妊婦さんの要望に細やかに対応してくれる。 その他にも、足を冷やさない足袋や膝掛け、ウェストが楽な作務衣、空気清浄器やマタニティークションのレンタル等… これほど徹底している宿もなかなかお目にかかれないだろう。 |
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「多々見」の魅力をあげれば、第一に宿泊料金以上のサービスを受けられるという点。
ご夫婦2人で年に一度の贅沢な旅行を考えている方より、小さなお子さんがいるファミリー客で、できるだけたくさんの旅行をしたいと思っている人には、「多々見」は最高の宿と言える。
もちろん、最近では、大型旅館を買い取り、超低価格路線で集客しているホテルチェーンが目立っているが、夕食はバイキングなど、コストを大幅に削ったせいで、お財布には優しいけれど、温泉旅行本来の楽しさも削られた感を抱く人も多いだろう。 だから「多々見」なのである。 料亭がベースだった事もあり、料理にこだわり、しかしながら、顧客満足度を上げるためにできるだけコストダウンを図りながらも、お部屋食にこだわるところが、この宿のポイント。 ここ山代温泉は、古い温泉地でもあるゆえ、小規模ながらも高級旅館がいくつかある。 設備が整った大型旅館も存在する。 温泉地としては、激戦区と言っていいほどのエリアなのだ。 そこで、なぜ「多々見」は生き残っているか・・・。 この宿は、加賀の伝統を感じさせるような日本庭園があるわけではないし、歴史を感じさせるような木造建築でもない。 しかし、それでも心地よく過ごせるのは、宿の随所で感じられる、きめ細やかな心配りだろう。 やはりこれは、"おもてなし"の精神が息づいている結果。 時代をこえて人々を魅了し続けてきた加賀・山代の文化は、間違いなく「多々見」に宿っているからこそなのだ。 「多々見」は、クルマで例えれば、今話題のハイブリッドカーのような存在。 料金が安いだけの軽自動車(安売り大型旅館)ではなく、贅沢三昧の高級車(敷居の高い高級老舗旅館)でもなく、料金も良心的でありながら、満足度の高い滞在ができるという点では、まさにこの時代のエコカー、ハイブリッドカーのようなものと断言したい。 温泉旅館が本来持っていた楽しさと寛ぎをバランスよく持っている点もふまえて、やはり普段着感覚で泊まれるというところも「多々見」の大きな魅力。 初めての人も、別荘感覚で使ってほしいところだ。 ちょっとした記念日には、温泉付きスイートの「芽生」もいい。 そして、若女将はじめスタッフが、一生懸命にお客のために働いている姿、真摯な姿勢を見るにつけ、本当に「真面目な宿」だなあと実感させられる。 日本人だからこそできる、きめ細かいサービス・・・。 この目に見えない魅力は、この宿のポテンシャルとして、確実に息づいている。 だからこそ、加賀・山代温泉には「多々見」という、隠れた名宿があるという事を知ってほしい。 |
彩華の宿 多々見 宿泊レポート
コラム
霊峰・白山火山脈の流れを組む山代温泉は、北陸地方随一の古湯である。 その開湯は、今からおよそ1300年前の725年(神亀2年)のこと。 旅の僧・行基が白山登拝の際、山代の里の通りすがりに、岩間から湧き出でる湯で一羽の烏が翼を癒す光景を見たと、温泉寺略縁起が伝えている。 山代の湯が、古くから「烏の湯」と称されているのは、この開湯伝説からだ。 山代温泉の歴史を証明する......
この宿のキーワード | |||
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屋上にあるタイプの違う2つの貸切露天風呂 | |||
スタイリッシュな源泉風呂付きスイートルーム | |||
贅沢さが漂うベッド型の貸切岩盤浴 | |||
お部屋でいただく絶品の加賀創作会席 | |||
ご夫婦、家族客や女性客に心配りのある宿 | |||
こんな人はOK | |||
・赤ちゃんや小さなお子様同伴でも、温泉旅行を楽しみたい方 ・リーズナブルな料金でも、本当に美味しい料理を食べたい方 |
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こんな人はNG | |||
・加賀地方の伝統文化や歴史を、建物全体で感じたい方 ・コストパフォーマンスよりもラグジュアリーを求めている方 |
IN | 15:00 | ||
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OUT | 10:00 | ||
カード使用 | 可(VISA、JCB、DC、AMEX) | ||
部屋の眺望 | 市街地 | ||
部屋食 | 部屋または個室料亭(夕朝) | ||
夕食の内容 | 加賀創作料理 | ||
朝食の内容 | 和定食 |
公式HPネット予約特典 | 【ベストレート(最低価格)保証】
公式HPからの予約が一番お得な料金になっております。 1組様につき館内利用券1,000円分プレゼント。 ※但し、2食付きのプラン限定。 |
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お得なプラン | 妊婦さんのためのマタニティプラン、蟹づくしプラン、一人旅プランなどお得なプランの詳細は公式をチェック★ | ||
10帖以上和室タイプ「もえぎ」 (定員2名~) |
¥16,500~ 休前日アップ料金 ¥1,100~ | ||
温泉風呂付き和洋室 「芽生(めばえ)」 (定員2~4名) |
¥27,500~ 休前日アップ料金 ¥1,000~ ・部屋食不可。料理は個室食事処でいただく。 ・間取り・・・和リビング(6帖琉球畳)+ツインベッドルーム+温泉内風呂+T |
創業/改築 | 創業:1968年(昭和43年)/改築:1996年(平成8年)/改装:2006年(平成18年) | ||
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部屋数 | 30室(和室28室・温泉付和室1室・洋室1室・和モダン1室) | ||
収容人数 | 100名 | ||
貸切風呂 | 貸切露天風呂×2 料金 :宿泊の場合無料で利用可能 利用時間 :15:00~23:00 予約方法 :事前予約(宿泊予約時)・チェックイン時 眺望 :庭園 |
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大浴場・他 | 男女別大浴場あり ※貸切露天風呂「菊花の湯」と「蘭花の湯」は、翌朝6:00から9:30まで男女別の露天風呂になる | ||
駐車場 | 40台 | ||
ペット | 不可 | ||
バリアフリー | 一部対応 | ||
岩盤浴 | 1名2,500円、2名2,000円(55分コース) | ||
インターネット | なし | ||
DVD | なし | ||
TVチャンネル | NHK2局 民放5局 | ||
施設 | カラオケ・宴会場・喫茶室・売店 | ||
冷蔵庫のシステム | ドリンクが入っていない(館内に自販機あり)※客室によっては冷蔵庫なし 内風呂付き「芽生」にはあり。ミネラルウォーターはサービス 冷凍室:不可 |
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自動販売機 | ジュース、アイスクリーム(ハーゲンダッツ) | ||
売店 | あり(アイスクリーム無し) |
浴衣 | ◎ | バスタオル | ◎ |
タオル | ◎ | 石鹸 | ◎ |
ボディソープ | ◎ | シャンプー | ◎ |
コンディショナー | ◎ | リンスinシャンプー | ◎ |
シャワーキャップ | ◎ | 歯ブラシ | ◎ |
ドライヤー | ◎ | ブラシ | ◎ |
くし | ◎ | カミソリ | ◎ |
綿棒 | ◎ | 洗浄機付きトイレ | ◎ |
車いす | 玄関前スロープ/階段手すり/無料貸し出し用車いす | ||
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お子様 | 子ども用スリッパ/子ども用浴衣/離乳食の用意/子ども用食器/粉ミルク用のお湯/オムツのサービス | ||
外国語 | - |
オススメお土産 | 山代温泉ミスト | ||
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近くのコンビニ | 徒歩で3分 | ||
携帯アンテナ | ◎docomo | ◎au | ◎softbank |
料金 | 45分¥3,000 | ||
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利用時間 | 14:00~21:00 | ||
※食事付きプラン(要予約) | |||
料金 | - | ||
食事の内容 | - | ||
設定日 | - | ||
受付時間 | - | ||
その他 | - |
料金 | - | ||
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利用時間 | - | ||
その他 | - |
泉質 | アルカリ性単純温泉 (低張性 アルカリ性 高温泉) | ||
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源泉の温度 | 47.4℃ | ||
湧出量 | - | ||
水素イオン | pH 8.9 | ||
溶存物質総量(ガスを除く) | - | ||
源泉の湧出状況 | 山代温泉配湯事業共同組合で集中管理して、各旅館に分配される源泉 | ||
加水/循環ろ過 | ○客室「芽生」の内風呂:加水をしない源泉100%かけ流し ○貸切露天風呂:源泉かけ流し+循環を併用(加水はなし) ○男女別大浴場:源泉かけ流し+循環を併用(加水はなし) ※女湯に備わった陶器風呂は、加水をしない源泉100%かけ流し |
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加温 | なし | ||
消毒 | あり(塩素消毒) | ||
浴槽の湯の入替 | - | ||
入浴剤 | 未使用 | ||
泉質別適応症(平成26年7月1日改定) | 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進 | ||
浴用の一般的適応症(平成26年7月1日改定) | 筋肉若しくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり ( 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、 神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期 )、 運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、 末梢循環障害、胃腸機能の低下 ( 胃がもたれる、腸にガスがたまるなど )、 軽症高血圧、 耐糖能異常 ( 糖尿病 )、 軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、 ストレスによる諸症状 ( 睡眠障害、 うつ状態など )、病後回復期、疲労回復、健康増進 |
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湯の色 | 無色透明 | ||
飲用 | 不可(保健所の許可をとっていない) | ||
飲用の適応症 | ― | ||
におい/味 | 無味無臭 |
電車 | JR北陸本線・加賀温泉駅下車~タクシーで10分、バスで20分 | ||
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送迎 | 要予約 | ||
クルマ | 北陸自動車道加賀ICか片山津ICで下車し、約20分 | ||
周辺観光スポット | 魯山人寓居跡「いろは草庵」、薬王院温泉寺、金沢21 世紀美術館 | ||
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レクリエーション(観光農園、公園など) | 九谷焼体験 | ||
スポーツ | テニス、プール | ||
スタッフより | 若女将 多々見 美保さんからのコメント 当館の自慢は、大きな貸切露天風呂とオリジナル加賀料理です。 少しでものんびりとお過ごしいただけますよう、お役立てできましたら幸いでございます。 |
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取材日 | 2011/10/28 | ||
一部情報更新日 | 2023/07/31 | ||
※予約問合せの際は、必ず「貸切温泉どっとこむ」を見たと言ってください。 |
Socials
この宿の記事制作者
温泉コム株式会社 代表取締役
30年以上前から、全国の温泉宿をまわり続け、「貸切風呂」の必要性を宿主に説いていた。 今でも、一年の半分を温泉宿で過ごす旅人でもある。 コラムニスト、カメラマン、ドローンパイロットの他に、ホームページのデザイン、コンサルタント業務もこなす。