江戸時代には一般庶民の湯治場として、温泉街が形成されていたという別府温泉。
明治時代に入ると、温泉掘削技術(ボーリング)の導入により動力湧出が可能となり、圧倒的な湧出量日本一の温泉地となった。
また、明治33年(1900年)には別府(現在の亀川駅)と大分(現在の大分駅)を結ぶ九州初の路面電車、別大電車が開通。日豊本線もでき、交通の便が良くなると温泉施設、宿泊施設が増加。次第に市街地が拡大されていく。
第二次大戦に於いても戦災に遭う事無く、日本が復興し始めると、新婚旅行や修学旅行のメッカとしても人気を博し、最盛期を迎える。
昭和37年にはやまなみハイウェイ(九州横断道路)が開通。
別府タワーや、鶴見岳の別府ロープウェイなど観光施設の開発も相次ぎ、宿泊施設も急激に増大する。
昭和39年(1964年)、そんな開発ラッシュに後押しされるように「おにやまホテル」は創業する。
元々「鬼山地獄」を管理していた宇都宮さん(現社長の祖父)が、自然に湧き出る豊富な湯をみなさんに提供したいと思い、オープンしたのだ。
「おにやまホテル」の現社長は、別府市旅館ホテル組合連合会の会長を兼任する上月敬一郎さん。
別府を純粋な温泉好きな人が集まる場所にしようと、別府中を飛び回っている多忙な人だ。
昔ながらの情緒ある別府の雰囲気を再び味わっていただきたいと銘打った「別府リバイバル新婚旅行」も上月社長が中心となり、20〜30軒の宿が加入している。
この「別府リバイバル新婚旅行」は、コンシェルジェが旅のコースを一緒に考えてくれ、お二人をサポートしてくれるというプラン。
懐かしの七五調ガイドによる地獄巡りや、貸切タクシー観光など、昔ながらのイベントも充実している。
かつて別府に新婚旅行で訪れたご夫婦も、あの時は行けなかったというお二人でも、ちょっと懐かしい別府旅行を味わえるだろう。
宿の宿泊プランも、公式HPを見るとその充実ぶりが見て取れる。その一部をご紹介しよう。
まずは期間限定「グルメバイキングプラン」。
夕食をレストランで約70種の料理をバイキングでいただくプランで、食べ放題ではないが豊後牛のステーキが付くという大変お値打ちのもの。
平日の2名1室でのお一人様料金は9,800円。
日頃お忙しい方のために「レイトチェックインプラン」もご用意。
22時までのチェックインで、一泊朝食付きでお一人様料金はなんと6,300円〜。
「素泊まりプラン」もご用意しており、お一人様料金は5,250円〜。
他にも大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の入場券付きプランや、九州自然動物公園「アフリカンサファリ」を夜中にバスツアーで行くプランなどはグループ客やファミリーに人気がある。
若いカップルには「クリスマスプラン」や「バレンタインプラン」といった記念日プランもご用意。
客層に関係なく人気があるのが、1日5組限定の「牛しゃぶ食べ放題プラン」。こちらはその名の通り、牛肉のしゃぶしゃぶを好きなだけいただけるお得なプランで、平日の2名1室でのお一人様料金は8,800円で、小学生以下の子どもは一人3,150円(もちろん牛しゃぶ食べ放題付き!)とファミリーにとって大変お得なプランだ。
これらのプランは期間限定のものもあるので、詳しくは公式HPにて確認していただきたい。
多忙な上月社長に代わって、毎日接客しているのが奥さんで女将の上月明美さん。
「最近ではお洒落な旅館がいろいろありますが、ウチには温泉しかありません。10%のお客さんでも満足していただけたらうれしいです。」と控えめに語ってくれた。
しかしこの温泉が規格外にいい。この宿は企業努力によって一万円前後で泊まれるが、温泉に関しては“高級旅館”なのだ。
「今まではお客さんの半分以上がご高齢のご夫婦や女性グループだったが、7年ぐらい前から、二十歳前後の若いカップルや小さいお子さん連れのご夫婦などが増えてきた。」とも女将は言う。
若年層の間でも、本物の温泉に入って、その効果を体験したい傾向があるのだろう。
「おにやまホテル」の客室規模から言えば、一般的な常識からすると、「温泉は、かけ流しにできない。」
「源泉かけ流し」とは、読んでそのまま、新鮮な源泉を湯舟に大量に注ぎ込み、浴槽の中の古い温泉を浴槽から溢れさせること。
死亡事故もあり話題となったレジオネラ菌対策と称して、保健所から“塩素消毒”が義務付けられている自治体、温泉地は多い。
だから、湯量が足りない宿の場合は、循環ろ過装置を導入し、塩素消毒を施し、いわゆる「温泉をリサイクル」して、再び浴槽に温泉を注ぎ込むのだ。
それでは、源泉かけ流し(すべての浴槽)の宿は、全国にどれだけあるか調べてみると、驚くことに、たった1割にも満たないのだ。
悲しいことに、これが“現実”。
それが、このホテルのように、100室弱ほどの規模の旅館ホテルともなると、大浴場はほとんどリサイクル温泉となる。
温泉ファンは、これを本当の温泉か?と疑問符を投げかける。
しかし、「おにやまホテル」は違った。
屋上の大露天風呂をはじめ、広い大浴場を持つこのホテルの凄いところは「すべて源泉かけ流し」にしている点である。
これは、別府という、温泉地としては日本で一番恵まれたロケーションにあるからかもしれないが、実は、この、かけ流しという温泉の“質”に、是非注目していただきたいのだ。
考えてみれば、この極上の温泉を、このリーズナブルな宿泊料金で利用できるのは、この宿の経営スタイル。
お洒落な家具や調度品を並べたり、著名なデザイナーな設計した客室があるわけではない。
女性が喜ぶような“演出”らしきものも、あまり感じない。
できる限りのコストダウンを図り、いかにお安く、喜んで泊まっていただけるか・・・と考えているのがこのホテルの“良心”なのだ。
ある予約サイトのクチコミ情報に、「しゃぶしゃぶ食べ放題プラン」(平日8,800円)で宿泊した客のコメントがこう書いてあった。「肉の質が悪い。もうちょっとグレードを上げてほしい。それと他にも献立がほしい。」
では、実際はどうか。取材スタッフである私は、実は同じ時期にこの宿にプライベートで泊まったことがあった。
そのクチコミ情報が気になり、同じプランで宿泊して驚いた。
料金からすれば、肉の質は申し分なく、他にお造り、から揚げなどバラエティに富んだ料理が並んだ。「これがクチコミの現実か」・・・と改めて認識した。
予約サイトのクチコミ情報は、今回のように、狭い了見で書くのもあれば、公正な目で評論しているのもある。
全部クチコミを否定はしないが、あのしゃぶしゃぶを「肉質が悪い」と断言すれば、それを見た方はどう思うだろうか。
いずれにせよ、ブログも今やポピュラーとなり、一般人でも評論家になれる時代になった現代こそ、本物の情報かどうかを見極める“目”も必要となっているのは確かだ。
大事な人とひっそりとエスケープする“大人の隠れ宿”もいい。
歴史を感じる建築が自慢の老舗旅館もいい。
今風のデザインを施したリゾートホテルもいい。
そして、“良心的な価格”で“本物の源泉かけ流し”を体験できる温泉ホテルという選択肢は必ず必要だと私は思う。
あなたも、「おにやまホテル」の本当の凄さ、そして魅力をぜひ確認していただきたい。
予約をするなら、公式ホームページでネット予約が一番お得ということも付け加えておく。(J/IZ)