この宿の構成上、パブリック施設があまりないため、客室で過ごす時間も必然的に多いだろう。
たっぷり温泉に浸かった後は、映画のDVDでも見つつ、のんびりするのも悪くない。
全室DVDプレーヤーが備わり、ソフトは母屋に100本以上置いてあり、無料でレンタルが出来る。
その客室には、茶香炉が置いてあり、気分をリラックスさせてくれる。
自分で豆を挽くコーヒーミルがあるのも、嬉しい。
コーヒー豆は、厳選したオリジナルブレンドで、この宿のこだわりが見える。
指輪やネックレスなどを入れておけるアクセサリーボックスは、女性にはありがたいアイテムだ。
客室でゆっくり受けられるエステは、女性に好評。
中でもオススメのコースは、「山野愛子どろんこエステ」。
疲れた肌にハリと潤いを与えてくれるだろう。ビジターコースで、50分5,200円。
あらかじめ予約が必要となる。
お土産はフロント前にコーナーが設けられている。
オススメは、お酒類。夕食の時に注文しても、自宅用に購入するのもいいだろう。
珍しいところでは、「阿蘇小国ジャージー牛乳焼酎」。
乳脂肪分が高い小国ジャージー牛乳と良質な米を合わせた、個性的な焼酎だ。
ソフトなミルク風味と香りで、爽やかに酔うことができそう。オンザロックで風味を楽しむのもよし、牛乳割りにしても美味しい。
そして、本場の芋焼酎も是非体験していただきたい。
中でも鹿児島の老舗酒蔵・本坊酒造の「石の蔵から」がいい。
芋の強い香りをやわらげており、飲みやすい。熟成したまろやかな旨みをまとったやさしい味わいで、バニラにも似た甘く柔らかな香りが特徴となっている。

山川温泉のある小国町は、筑後川の最も上流に位置する緑豊かなエリア。
やはり、手付かずの自然を楽しむ場所が多数あるが、観光が楽しめるスポットもある。
抽象画で有名な「坂本善三美術館」や、油絵画家・吉村郁夫氏の数多くの作品がある「櫟(くぬぎ)の森美術館」などがあるので、芸術鑑賞をしてみてもいいだろう。
また小国町には、日本が世界に誇る細菌学者・北里柴三郎博士(1853〜1931年)の生家と記念館がある。
北里柴三郎は、ここ小国町に生まれ、熊本医学校に入学。
その後、東京医学校(現東京大学医学部)に進学。予防医学を生涯の仕事と決意する。
伝染病予防と細菌学に取り組み、1894年(明治27年)には、ペストが猛威を振るっていた香港に派遣される。ついには、病原菌のペスト菌を発見する成果を上げた。
それからも、狂犬病、インフルエンザ、赤痢、発疹チフスなどの血清開発に取り組み、日本を代表する医学者となった。
ちなみに、千円札にも描かれている野口英世(1876〜1928年)は、北里研究所に研究員として勤務しており、北里柴三郎とは師弟関係となっている。
その北里の生家があるエリアには、「鍋ヶ滝」という絶景スポットがある。
ちょっとした山道を下っていくと、目の間に現れるのは、自然の造形美の極みだ。
ここは、滝の裏側に回れるのが珍しい“裏見の滝”でもある。
一瞬別の世界に迷い込んだような、不思議な気持ちにもさせてくれる。
マイナスイオンが豊富で、パワースポットとしても有名とのこと。
ちなみに、ゴールデンウイーク中はライトアップが行われ、入場が有料となる。
数年前に放送された伊藤園「おーいお茶」とキリンビバレッジ「生茶」のCMロケ地になっており、女優の中谷美紀さんや松嶋菜々子さんが撮影で訪れている。
国道387号から分岐する林道から山川温泉方面へ向かうところには、地元の方もよく利用する共同浴場の「ホタルの里温泉」がある。一人300円で利用可能。
「旅館 四つ葉」と泉質名は同じだが、含有成分や源泉温度が異なり、弱酸性の湯となっている。
もちろん湯は、贅沢なかけ流し方式。肌の感触の違いを楽しんでいただきたい。
その「ホタルの里温泉」のある山川温泉の入り口付近には、コンクリート造り三連アーチ橋が2つあり、素朴な里山の風景と溶け込んでいる。
こちら堂山橋梁と汐井川橋梁は、旧国鉄宮原(みやのはら)線跡。
宮原線は、1937年(昭和12年)に開通し、大分県玖珠郡九重町から熊本県阿蘇郡小国町を結んでいた、わずか26.6kmの鉄道であった。
1984年(昭和59年)に全線廃止となったが、今も7つのコンクリート橋が残っており、その全てが国指定文化財となっている貴重な建築物なのだ。

お隣りの大分県だが、「九重“夢”大吊橋(ここのえゆめおおつりばし)」
は、クルマで50分ほどの場所にあり、人気スポットとなっている。
長さ390m、高さ173m(標高777m)、幅1.5mの日本一の人道大吊橋で、橋の上からは、「日本の滝百選」に選ばれた「震動の滝」をはじめ、紅葉の美しい渓谷「九酔渓」や、「九重連山」の雄大な景色が堪能できる。
宿の自家農園も、大分県竹田市にあり、野菜や米などを育てている。
その種類はなんと50〜60種(!)に及ぶ。
主なものを挙げると、トマト4種(ももたろうトマト、フルーツミニトマトあいこさん、ミニトマトの赤と黄、マイクロミニトマト)、人参4種(赤、黄、黒、ウインナーキャロット)、ナス3種(長ナス、米ナス、水ナス)、きゅうり3種、ピーマン、ししとう、おくら(緑と赤)、ヤーコン、アスパラ、ジャガイモ、サトイモ、ブロッコリー、ソラマメ、いんげん、レタス、ベビーオニオン、ゴーヤなどなど。
珍しいものでは、ロマネスク(カリフラワー)、スイスチャート、おかわかめ、おかひじき、おかのりなども栽培。
この菜園は、オーナーの石川由香さんが、実のお母さんと二人だけで、ほとんど育てているのだというから驚きだ。
自ら収穫した食材を、経営する4つの宿に、オーナー自ら軽自動車で運んでいるという。