「萬岳楼」全10室には、大涌谷から引いた白濁の客室露天風呂が備わる。
箱根には、多くの客室露天風呂を備えた宿が営業しているが、全室が源泉かけ流しの露天風呂付きというのは非常に珍しい。
それも豊富な源泉を所有しているからできること。
客室は、2007年7月に新築された5室と、リニューアルされた1室。
そして、2009年11月に誕生した新棟「枯淡(こたん)」の4室の合計10室。
2007年7月に新築された5室(みず、そら、こもれび、こだま、かぜ)には、オープンテラスに檜の樽型の露天風呂と、同じく温泉を使った内風呂と2つの湯舟を備える。
リニューアルされた客室「わびすけ」は、部屋の外に造られた野趣溢れる四角い露天風呂が備わる。
2009年11月に新築された4室(るり、もえぎ、こはく、ぐんじょう)には、屋根の付いた全天候型の半露天風呂が備わる。
料金でグレードを分けると・・・・・
@露天&内風呂付き特別室「みず」(和洋室)
A露天&内風呂付き特別室「そら」(和洋室)
B本館・露天&内風呂付き客室「こもれび」/新棟「枯淡」の半露天風呂付き客室「るり」と「もえぎ」
※「こもれび」と新棟「枯淡」の「るり」と「もえぎ」は同料金。
C新棟「枯淡」の半露天風呂付き客室「こはく」と「ぐんじょう」
D本館・露天&内風呂付き客室「こだま」と「かぜ」
E本館2階・露天風呂付き客室「わびすけ」(和洋室)
・・・・・となる。
共通している設備とすれば、ハンドマッサージ機能が付く高級マッサージチェアが備わっていること。
多くのお客に喜ばれている。
そして、全客室にインターネット環境(LANケーブルはフロント貸出)が備わっていることも嬉しい。
最近は、ノートPCを持ち込んでのお客も増えてきたという。

それぞれの客室の解説をすると、まず、2007年7月に新築された露天&内風呂付き特別室「みず」から。
この部屋は、フロントから一番奥まったところにあり、森の静けさを一段と感じさせてくれる。
閑静で開放感溢れる空間は、贅沢そのもの。
間取りは、リビング+和室8帖+洋室(TWベッド)+広縁+テラス+客室露天風呂+内風呂+T。和洋室の構成。
同じく、特別室「そら」も、2007年7月に新築された特別室。
設置している洋服ダンスはアメリカ・ドレクセルヘリテイジ社製。
広縁の床の色はダークブラウンの落ち着いた色調で和と洋の融合といった雰囲気。
客室露天風呂があるオープンテラスとは別にベットルームの外にもテラスが設けられていた。
間取りは、和室8帖+洋室(TWベッド)+広縁+テラス+客室露天風呂+内風呂+T。和洋室の構成。
本館の露天&内風呂付き客室「こもれび」も2007年7月に新築された部屋で、人気の角部屋となっている。
庭に面した広縁が心地いい。広縁とオープンテラスの樽の露天風呂からは、山桜が見える。春は見ものだろう。広縁がこの宿で一番広く、思わず昼寝をしたくなる。
間取りは、和室12帖+8帖+広縁+テラス+客室露天風呂+内風呂+T。
そして、2009年11月に誕生した新棟「枯淡」は、全4室の構成。
中学生未満のお子様はご遠慮いただく、大人専用の客室棟となっている。
本館と違って、内風呂は付いていないが、屋根付きの全天候型の半露天風呂は、内風呂の機能も果たす。
「るり」と「もえぎ」には、広々としたオープンテラスが備えられているが、「こはく」と「ぐんじょう」には無い。
すべて、落ち着いた和室の構成で、どの部屋も、静かで落ち着ける雰囲気だ。
「るり」の間取りは、和室8帖+和室8帖+廊下+テラス+客室半露天風呂+T。
「もえぎ」は、和室8帖+和室8帖+テラス+客室半露天風呂+T。
「こはく」は、和室6帖+和室8帖+客室半露天風呂+T。
「ぐんじょう」は、和室8帖+和室8帖+客室半露天風呂+T。
どの部屋も一見同じ印象を受けるが、間取りは若干違いを見せる。
ロビーに一番近い客室が、本館の露天&内風呂付き客室「こだま」と「かぜ」。
こちらも、2007年7月に新築された部屋で、テラスに露天風呂があるタイプでは、この宿では一番リーズナブルな料金設定のため人気となっている。「かぜ」の部屋からは、もみじの木も見えた。
間取りは、「こだま」「かぜ」とも共通で、和室8帖+6帖+広縁+テラス+客室露天風呂+内風呂+T。
そして、最後は、唯一、新築ではなくリニューアルされた本館2階の客室「わびすけ」。
客室露天風呂は、部屋の階段を降りて、いったん部屋を出なくてはならない。ただ、数十秒の距離だが。
また、これも唯一の2階客室ということもあり、窓からの眺めも原生林を一望でき、天気が良ければ箱根の外輪山も見える。
間取りは、和室8帖+洋室(TWベッド)+広縁+Tで、外に客室露天風呂が付く。
洗面所が付いていないのが、この部屋の短所でもあるが、2つの貸切風呂に一番近い事は、長所であろう。
なお、この客室は嬉しいことに、平日限定だが、日帰りステイを受け付けている。
お一人様15,750円で、14:00〜22:00の間で最大8時間滞在できるのだ。
夕食は、宿泊客と同じ創作懐石が付いて、非常にお得なプランとなっている。
以上のように、たった10室(和室7室、和洋室3室)の構成ながら、それぞれに個性のある客室が揃っている。
今流行のモダンな家具や、デザイナーが設計したような雰囲気は無いが、和風旅館の王道を行くような、飽きのこない落ち着いた設計の空間になっているのは好感が持てる。