「ガムラン(gamelan)」とはインドネシアに伝わる民俗音楽で、オーケストラのように大人数で、様々な種類の旋律打楽器を数多く使用し楽曲を奏でる。その重層的に広がるメロディーは心地よく、多くの人々の心をひきつける。そのガムランなどバリ島の音楽が館内に流れる「我無らん」は全5室、ホテル型の小さな温泉宿だ。すぐ近くにある湯原温泉の人気宿、「湯の蔵 つるや」の別館として平成16年にオープンした。和の印象が強い温泉街にあって何か目新しいものを、と考慮した結果、ご主人が取り入れたのはバリスタイル。家具や調度品などは、ご主人がバリ島から直接買い付けてきたというもので、モダンなインテリアと相まって「日本の温泉宿」とは一線を画するお宿となった。
大浴場はないが、どの客室にも湯原自慢のお湯が堪能できる風呂が付くため、ここはカップルやご夫婦など、大切な人同士で来るには最適な宿といえるだろう。各部屋とも違う間取りで、部屋によって見た目も雰囲気もまるで異なる。ベッドはダブルベッド(「紅柄」・「瑠璃」)、ツイン(「早蕨」・「天空」)、天蓋付きダブル(「白夜」)。湯舟も一枚岩の露天(「天空」)、大きな窓が開放感ある半露天の桧(「早蕨」)と信楽焼(「紅柄」・「瑠璃」・「白夜」)と5部屋ながら実に様々。この雰囲気を気に入るリピーターも多いそうで、来るたびに違う部屋に泊まるという楽しみもあるようだ。
この佇まいにあって、1階の個室食事処でいただく夕食は創作和会席。熟練の料理人がその日その日に献立を考えるという品々には、いい意味で期待を裏切られる。産地などは限定せず、新鮮なもの美味しいものをセレクトするというこだわりは、バリの洗練を日本の温泉宿に取り込むそのミックス感と相通ずるものがある。ボリュームも程よく、豊富に用意されているお酒の杯を傾けながら食べるのにもちょうど良いだろう。
2階には貸切無料で利用できる岩盤浴サウナもあり、絶品の料理と良質のお湯だけでは物足りないという贅沢な人にも、またとないおもてなしが待っている。また、ランチタイムにはテラスと食事処を利用したレストランとなり、昼夜問わず賑わいをみせている。
「美作三湯」にも数えられる湯原温泉には公共の交通機関を利用しても訪れやすいが、米子道の湯原ICから10分程度と車でのアクセスは抜群。お得なプランやネット直予約特典も用意されている公式ホームページでチェックして、ドライブで雄大な自然を楽しみがてら、お食事に、宿泊に立ち寄りたいお宿である。(eb)